3度目の聖母とのコンタクト
3回目の7月13日が近づいて来ました。
この頃ルシア(10歳)は、奇跡を信ずる者や野次馬で村全体が大騒ぎになっていることを苦しみ、絶望的になっていました。
この事についても聖母によって、
「世のための犠牲になることにより、人々の信仰を強化するための一端なのです。」
と告げられていたのでした。
群衆は早くも13日の聖母の出現を期待して前夜からコバ・ダ・イリアに殺到していました。
悪魔の仕業ではないかと神父から言われたルシアはすっかり嫌になり、13日にはコパへ行かない事にしていましたが、フランシスコとジャシンタの激励を受けてやっとの思いで家を出たのでした。
コパ・ダ・イリアの盆地へ来た3人は約6,000人の群衆が待ち構えている様子に驚いて立ちすくみました。
3人は人混みを押し分けて、いつものヒイラギの木のそばへたどり着きました。
正午頃、稲妻に似た閃光がきらめいて、聖母が現れました。
「みなさん。地面にひざまずいてください!」
ルシアが大声で叫ぶと、空間に向かって話し始めました。
聖母の姿が見えるのはルシアとジャシンタのみで、群集には何も見えていませんでしたが、それでも人々はかたずをのんでルシアの声に耳をかたむけ続けます。
ルシアは前回同様、どこから来たのか、何を望んでいるのかを尋ねました。
「来月13日にまた来るように。そして10月になったら奇跡を行うので、そうすれば誰もがルシアの体験を信じるでしょう。」

ルシアが人々から依頼されていた願い事を伝えると、
「本人たちがロザリオを忠実に唱えれば、本年中に叶えられるでしょう。」
と答えたのでした。
続いて聖母はルシアに対して、時期が来るまでは絶対に口外してはならないと命令した上で、重要なメッセージを伝えました。
この内容は、ルシア自身の手記に秘められたままレイリアの司教のもとに保管されていましたが、25年後の1942年にカトリック当局から一部削除された状態で公開されました。
死後の地獄の実在
聖母は、6月の出現時と同様に両手を開くと、手から不思議な光線が出て大地に浸透し、そこに多くの人々が肉欲や傲慢などの現世的な罪から改心しないままでいることにより死後に向かうであろう地獄のビジョンを見せ、三人の子供達はそのあまりの光景に大変なショックを受けた。
大戦争の終焉と勃発
第一次世界大戦はまもなく終わるが、それから人々が生活を改め罪を悔い改めないなら更に大きな戦争が起き、沢山の人が死に、多くが地獄に落ちてしまうこと。その前兆として、ヨーロッパに不気味な光が見えるだろう。この光景は罪人が地獄へ落ちる様子を象徴的にあらわしたもので、彼らを救うには、主の汚れなき御心に対する信仰を盛んにする必要がある、と聖母は述べた。
ソ連(ロシア)の改宗
主の汚れなき御心に奉献し、毎月つぐないの聖体拝領をすることについて人々が聞きいれるならば、ロシア(ソ連)は改宗し世界は平和になる。さもなければ、ロシアはその誤りを世界にまき散らして、戦争をあおりたて、教会を迫害し、沢山の善良な信者が殉教し、多くの国が滅亡する。その結果、ロシアは改宗し世界に平和が来るだろう。

以上の内容を口外してはならない。ただしフランシスコには話してもよい。
そう話すと、聖母は静かに東方の空へ消えて行きました。
このとき群集には聖母の姿は見えませんでしたが、ひとかたまりの白雲が3人の子供をとり囲んだのを目撃しました。
また、太陽が急に暗くなって気温が低下したので、大群集からどよめきの声があがったのでした。
(こうした不思議な現象はすべて記録されています。)
続く
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