約束の6月13日の聖母とのコンタクト
3人の子供達は朝早く羊を連れ出した後、幻の貴婦人との約束を果たすために、コバ・ダ・イリアへと出かけました。

この日、ファティマは聖アントニオの祝祭日でどこもかしこもお祭り気分に溢れていました。
そんな中で、3人の子供達の後を60名ばかりの群集がついて来て、真実を確かめようとコバのヒイラギの茂みのなかに待機したのでした。

3人の子供達はロザリオを唱えると、聖母が現れました。
「光が見える!貴婦人さまがおいでになります!」
すぐにルシアが立ち上がって叫びました。
ルシアが空中の一点に向かって歓喜に満ちた表情で話しかけました。
「何をお望みですか?」
「来月の13日にまたここへいらっしゃい。毎日ロザリオを唱えなさい。そして、あなた方は読み書きができるようになってくださいね。そうすれば、私の望みをお話ししましょう」
その間、周囲で目を皿のようにして凝視している群集には何も見えません。
3人のうちフランシスコだけは依然として姿も相手の声も感知できず、ルシアの声もよく聞きとれなかったので、あとで説明してもらう必要がありました。
ルシアの手記により明らかにされた聖母からのメッセージ
このコンタクトで、貴婦人はルシアに対して口外してはいけない重要な秘密の話を伝えました。
その内容については、後に修道女になったルシアが10年後に発表した手記で明らかにしました。
「自分たちも天国へ連れて行ってください。」と言うルシアの願いに答えて、
「フランシスコとジャシンタの2人をそう遠くないうちに迎えに来るけれども、ルシアはこの世に長く生き残って人々の信仰を高めるための奉仕を続けなければいけない。」
と伝えられたそうです。
(確かに、フランシスコとジャシンタの2人は、2~3年後にスペイン風邪がもとで他界している。)
この2回目の出現は約15分間で終わりました。
その間、聖母の幻像が立っていたヒイラギの木は、何かの荷重がかかったかのように枝が下へたわみ、貴婦人が去って行くことをルシアが告げたときは、その衣服で引っ張られるかのごとく枝がすべて空中の東の方向になびくのを目撃した人が群集のなかにいました。
(この出来事から、数十名の支持者が生じることになりました。)
それでもルシアの母親はまだ娘の体験を信じず、むしろどうにかすると狂ったように娘を責めてはウソであることを告白させようとするのですが、娘は頑として応じませんでした。
終いには神父にさえ「悪魔のたぶらかしである。」と批判される始末でした。
続く
コメントを残す