ファティマの聖母 最初の出現

1917年当時のポルトガルでは、学校に通えず文字の読み書きのできない子供が大勢いました。ルシア、フランシスコ、ジャシンタの3名もほとんど文字が読めないという状態でした。

 

 

ファティマの住民の殆どは、主に家畜の羊を飼い、その他にわずかな養鶏や果樹園をやって、なんとかその日その日の生活を送っているのでした。

 

そして住民たちにとって、イエス・キリストも聖母マリアもこの世で唯一至高の存在でした。厚い信仰心があってこそ生活が成り立ち、人間として生きる価値を見出せていました。

 

こうした中、3人の子供たちは毎朝天使祝詞を唱え、守護天使に祈ってから、羊たちを追いたてて1~2時間かけて山道を登って行き、目的地に着くと、羊たちに草を食べさせながら3人は遊びに没頭するのですが、ときには賛美歌を歌ったりもしました。

 

正午を少しすぎたと思われる頃 、突如、空中に強烈な稲妻がきらめいたので、3人は驚いて空を見上げました。しかし上空には雲一つない青空が広がっているだけでした。

 

5月頃になるとこの土地で急に嵐が襲いかかるこかを知っていたルシアは他の2人に「帰ろうよ」と呼びかけました。

 

3人が羊を追って下り坂の方へ向かいながら、ヒイラギの木の近くまで来たとき、また一閃、もっと強い光が空中で輝いたのです。

 

3人が渓谷の中程の所まで走り寄った時、すぐ目の前の高さ1メートルほどのヒイラギの木の上に、ものすごく美しい一人の貴婦人が立っているのでした。

 

年齢は18歳になるかならずで、非常に高貴な顔にかすかな微笑を浮かべています。

 

胸に両手を組み合わせ、右手には光り輝くロザリオをさげて、足元まで垂れさがったゆるやかな純白の衣服を身に纏い、首からは金色のネックレスを胸までさげ、両肩にはこれも足まで垂れた真っ白なマントをかけており、裸足のバラ色の両足をヒイラギの梢にかかった雲の上にふんわりと乗せています。

 

 

ルシア「あなたは、どこからいらっしゃいましたか?」

 

貴婦人は微笑を浮かべたまま明瞭に答えました。

 

「天国から来ました。これから毎月13日のこの時刻に、6回ほど、あなた方にここへ来ていただきたいのです。10月になったら、私の正体や、あなた方に対するお願いなどについてお話ししましょう」

 

「あなた方は神の栄光を侮辱する罪をつぐなうために、進んで犠牲を捧げ、神があなた方に送ろうと思し召される苦しみをみんな喜んで忍ぶことを約束してくださいませんか。そしで罪人の改心のため、また神に対する冒漬と聖母の汚れなき御心に対する不敬の罪をお詫びするために、苦しみや困難を耐え忍んでくださいませんか」

 

子供達「わかりました。」

 

貴婦人は嬉しそうに微笑みながら合掌していた両手を開くと、そこからきらめく光線を放射したのです。

 

「毎日、熱心にロザリオを唱えて、お祈りを続けなさいね。世界が平和になるようにと。」

 

語り終わった貴婦人は、足を動かさずに、直立したまま東の方へ空中を移動して、太陽の光のなかに消えて行きました。

 

この出来事は3人の秘密にしようと誓いました。

 

それでも、幼いジャシンタは母親のオリンピアに一部始終を話してしまいました。もちろん母親は信じませんでしたが、この噂は瞬く間に村中に広がり、子供達は笑いものになり、外を歩くと村人が罵声をあびせかけてくるようになりました。

 

ルシアの母親もフランシスコとジャシンタの母親もイライラし始め、時には子供を叱り、時にはかばいながら、あれこれと弁明するも、いっこうに騒ぎはおさまりませんでした。

 

そんな中、貴婦人との約束の13日が近づいてきました。

 

続く

 

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